PROJECT

ケアラーと共に働く上での職場の環境・意識づくり『職場のケア研修』

プロジェクトが生まれるまで

ケアラーの方々にとって、職場の「居心地」はとても大切なものです。たとえ就職できたとしても、周囲からの理解を得られず孤立してしまうような環境なら、安心して長く働き続けることはできません。私たちの願いは、ケアラーの方々に「就職」という一時的なゴールだけでなく、「ここでなら安心して、ケアを抱える自分を否定することなく働き続けられる」と感じてもらうこと。そのためには、職場で働く一人ひとりが、ケアラーだけでなくお互いの状況を理解して働ける「職場の雰囲気」が何よりも大切だと考えました。理想を掲げるだけでなく、実際に働く仲間同士が、互いを支え合える環境をつくる。その実現に向けたきっかけとしての場が「職場のケア研修」です。

プロジェクトの概要

「職場のケア研修」は、職場で共に働く仲間同士が、業務だけでないお互いの状況をより深く理解し、支え合える職場づくりを目指す研修です。ヤングケアラー協会の理事である高垣内文也さんが代表を務める株式会社ENCHORDさんと相談しながら、ヤングケアラーとしての経験談や、仕事をしながらケアを担う方のリアルな声や経験をお聞きした上で、「実際にケアラーと働くとしたら?」というケーススタディを行うプログラムをつくりました。ケアラーの方々が日々どんなことを感じ、どんなサポートが必要なのかを具体的に想像すること。そしてこれからの日々の業務に活かしていくことを目的に、研修の最後にはそれぞれが職場でできることの宣言として「MY CARE ACTION」を発表する内容となっています。 実際の研修の様子はこちらのレポートからご覧いただけます

PROJECTのこれから

「職場のケア研修」は「いばしょに就こうPROJECT」と両輪で、ケアをしていても長く安心して働ける職場環境づくりを目指す取り組みです。今後は、実際にケアラーと共に働く中で生まれてくる新たな気づきやノウハウを研修内容に反映させ、より実践的で社会に広く役立つプログラムへと進化させていく想定です。ニチイ学館はケアのリーディングカンパニーとして、「誰もがケアラーになり得る時代だからこそ企業にとっても必要となる知識やノウハウ」を、率先して提供していける存在になっていきたいと思います。多様な働き方が受け容れられる社会とは、働く人同士、互いにケアの心が行き渡っている社会、だとも思うから。