PROJECT

ケアと仕事を両立できる若者ケアラー向け就労支援『いばしょに就こうPROJECT』

プロジェクトが生まれるまで

私たちの社会では今、ご家族の介護や世話を担う「ヤングケアラー」と呼ばれる若い方々が増えています。高校生・中学生のおよそ17人に1人が、家族の日常的な介護や世話を担っているという調査結果(※1)もあり、中にはケアを理由に、自身の進学や就職を諦めてしまう子どもたちもいます 。このプロジェクトのきっかけとなったのは、ニチイ学館の地域の採用を担っている担当者からの一言でした。「これまで出会ってきた学生の中には、もしかしたらヤングケアラーかも?という学生も時々いる。でも、今の私たちでは直接力になれないのがもどかしい」。長年ケアの道を歩んできた私たちだからこそ、この課題に向き合い、若者たちが「仕事」と「ケア」をどちらも大切にしながら、自分らしく人生を歩んでいけるように応援したい。そんな想いから、「いばしょに就こうPROJECT」ははじまりました。 (※1 厚生労働省「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」(2021年)より)

プロジェクトの概要

「いばしょに就こうPROJECT」は、ご家族のケアによって自分のための時間が充分にとれず、進学や就職の選択肢が限られてしまう、10代〜30代までの若者ケアラーのための就労支援プロジェクトです。一般社団法人ヤングケアラー協会の監修のもと、当事者・経験者へのヒアリングも行いながら、ニチイ学館が持つ介護のノウハウを活かすことで実現できる「ケアと仕事を両立できる職場」とはなにか?を考えてきました。ご家族のケアで突然休まなくてはならないこともあるから「柔軟なシフト体制」が必要ではないか。働き始めてから「資格取得」のための勉強をするサポートが、私たちならできる。本人や家族が希望するなら、介護サービスだってもちろん提供できる。なにより、ケアを本業にする私たちだからこそ、ケアにまつわる事情を理解することができる。働く本人が、安心して、自信を持って新たな一歩を踏み出せる機会の提供に向けて、ひとつひとつ制度や仕組みを見直し、準備をしてきました。

PROJECTのこれから

このプロジェクトは、2025年6月から埼玉県、愛知県エリアで、まずは一歩を踏み出します 。2026年からは全国へと、この支援の輪を広げていく予定です。まずは小さなスタートかもしれません。けれど、若者ケアラーが自分の力で、社会に貢献する場所ができること。それはきっと、彼らにとってのもうひとつの「いばしょ」が生まれることにもなるはずです。そして、ケアラーの働きやすさを考えることは、誰にとっても働きやすい職場を実現することに繋がっていくはずです。一方的に機会を「与える」のではなく、彼らと共に、働く一人ひとりがお互いに「ケア」で結ばれた、長く安心して活躍できる職場を「共に創っていく」。そんなやさしい挑戦を、はじめていきます。 いばしょに就こうPROJECT 特設サイトはこちら。